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asa(あさ)
映画が大好きな28歳会社員

年間300本程度の映画作品(洋画がほとんど)を鑑賞している映画好きです◎

アカデミー賞で輝く俳優・女優の姿に感動し、アカデミー賞などの映画賞をもとに映画の魅力を発信しています。

映画会社「A24」はいかにして人気となったのか?2023年のアカデミー賞候補作品も紹介!

約10年ほど前から突如として映画界に現れ、今や映画界を席巻するほどの存在になった映画会社を知っていますか?

それは、A24(エートュエンティフォー)という映画会社です。

作品や出演者が注目されるのはわかるけど、映画会社が注目されることなんてあるの?

そう疑問に思う方も少ないですよね。

しかしながら、ハリウッド映画において一部の映画会社で独占していた状態に風穴をあけ、今やアカデミー賞などの映画賞の場でも輝きを放っているA24を知ることで、より映画を楽しめるようになります。

今回は、そんなA24とはどんな会社なのか?どんな特徴があって人気になってきたのか?を徹底解説します!

もちろん2023年のアカデミー賞でも大きな注目を集めていますので、今年の候補作品も紹介します。

ぜひ、読んでみてください!

目次

「A24」とは、どんな会社?

独特な名前とシンプルなロゴ!

asa(あさ)

この時点で惹きつけられますよね

ここからは「A24」の概要をご紹介します!

概要

「A24」は、2012年にアメリカ・ニューヨークで設立された映画制作・配給会社です。

創始者はダニエル・カッツ、デヴィッド・ファンケル、ジョン・ホッジスの三人であり、この三人はそれぞれ映画業界で切磋琢磨している存在でした。

2013年から配給を行なっていき、2015年には『AMY エイミー』、『エクス・マキナ』、そして『ルーム』などでアカデミー賞を受賞することで、一気にその名を広げることになりました。

翌年の2016年には、後にも紹介する『ムーンライト』でA24史上初のアカデミー賞作品賞を受賞し、インディ系映画会社として類を見ない、アカデミー賞の常連となっていきまます。

その後も、インディ系映画ならではの新進気鋭さと斬新さと独自性、そして世間の流れを取り入れたメッセージの力強さで人気を博し、『レディ・バード』や『ミッド・サマー』などの大ヒット作品を生み出してきています。

「A24」が人気となった理由

「A24」は、いかにして今の地位まで上り詰めることになったのか?

それを知ることで、今後の映画界の情勢がおのずと読めてきます。

このパートでは、「A24」が人気になった理由を解説しています。

インディ系会社だからこその独自性と新しさ

一般的に私たちが“ハリウッド映画”として見たことのある映画の多くは、メジャーの映画会社が制作・配給を行なっています。

映画のオープニングでよく見るシーンに各会社のロゴが映っていますね。

メジャーなハリウッド配給会社
  • ユニバーサル・ピクチャーズ
  • パラマウント・ピクチャーズ
  • ワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズ
  • ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
  • ソニー・ピクチャーズ

このメジャーな5つの映画会社がアメリカ映画界の興行収入の80%を占めており、もはや独占状態です。

そのため、各会社には莫大な資金が集まり、高額な予算の作品を量産することができています。

それ以外の映画会社で、中でもA24のようなインディ系の映画会社は低予算で制作することを余儀なくされます。

そこでA24は、インディ系であることをむしろ強みとして、各映画祭などの場で才能を光らせていた若いクリエイターなどに目をつけ、その才能を遺憾無く発揮する場を用意しました。

結果としては、その若き才能を持つ者たちが自由な発想と新しさで良質な作品を手がけていくことになり、独自性と時代を創る新しさを持ったA24は、現状のように熱狂的なファンを生み出す会社に成長していくことになりました。

世相を読む力

A24は、世相を読む力、いわゆる世間で注目されている話題やニーズを察知し、それに合わせた映画制作、配給を行なったことも大きな特徴です。

2015年のアカデミー賞では、ノミネートした俳優が全て白人だったことから、「白人だらけのアカデミー賞」と揶揄されていました。

それを踏まえて、アカデミー協会の会員は年々増加傾向にあり、協会員の内訳も他人種や女性の割合が増えてきています。

その翌年に公開したのが、作品賞を受賞した『ムーンライト』です。

世の中の風潮に合わせて、ここぞというタイミングで黒人であることや同性愛に触れた本作品は、衝撃を与えるとともに最高賞を受賞することになりました。

先進的なデザインとアート性

インディ系の会社だからこそ、独自性のある映画が制作できるということをお伝えしましたが、さらにその制作した作品の見せ方も非常にセンスが感じられます。

2016年に公開された『ムーンライト』はアカデミー賞作品賞を受賞し、大きな注目を集めましたが、作品の内容だけでなく、そのポスターにも注目が集まりました。

出典:https://video.unext.jp/title/SID0030205

一見すると一人の男性を写しているように見えますが、よく見るとこれは三人の男性を掛け合わせたものになっています。

主人公のそれぞれの年代が合わさっていますが、見た目が変わっても一人の人間であることをうまく表していますね。

ポスターだけでなく、ロゴや予告動画なども非常にスタイリッシュです。

A24公式の予告動画は、作品の雰囲気ごとにロゴのデザインが変わっており、作品に対する独創性や遊び心を私たちに届けてくれています。

4. グッズ展開をはじめとしたブランド戦略

A24は映画の制作、配給のみならず、グッズの制作、販売も行なっています。

それまでは、映画作品に沿ってグッズを制作するのが当たり前であったが、A24は何味も違います。

アパレルブランドとして、映画に関係なく着られるオシャレなアパレル商品が多数販売されています。

出典:https://a24films.com/

写真で見てみても、普通に着たいと思える服ですもんね!

さらに加えて、コップやタンブラーなど、多岐にわたるジャンルの商品を販売することで、映画作品だけでない部分でも多くの人を映画のPRに引き込む仕組みを確立しました。

このように映画ポスターやロゴ、グッズなどを含めて、A24のセンスとスタイリッシュさがアイデンティティとして、映画界に新たな影響を与え始めています。

「A24」の主な作品

会社としてのブランド戦略は知ることができましたが、肝心なのは作品ですよね?

「A24」作品は、ブランドの地位を引き上げたものばかりですから、もちろん素晴らしい作品ばかりです!

asa(あさ)

まずは作品の人気ありきって感じですね!

この記事では、主な「A24」の作品を3作品紹介しています。

気になったら、ぜひ見てみてくださいね!

『ムーンライト』

A24史上初めてのアカデミー賞作品賞を受賞した作品です。

前評判では、『ラ・ラ・ランド』がその年の大本命と言われていましたが、終わってみればアカデミー賞、ゴールデングローブ賞を初め多くの賞を受賞し、その年の主役に躍り出ました。

一人の男性が大人になるまでの、家族、友情、恋心、そして自我のそれぞれに対する葛藤を描いており、そのメッセージや出演者の演技と演出に魅せられ、世界中から大絶賛の嵐となりました。

『レディ・バード』

憧れを抱える女子大生の葛藤を描いた青春映画です。
母親、恋人、友人、それぞれに対して抱く思いや行動に愛らしさを感じる、非常に素晴らしい作品です。

トロント国際映画祭で上映された時は、その素晴らしさにスタンディングオベーションが起きたほどだそうです。

そのように批評家をはじめ、世界中からの評価は非常に高く、ゴールデングローブ賞では作品賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞しました。
その勢いのまま迎えたアカデミー賞では、作品賞を含む5部門にノミネートされるも、惜しくも受賞とはなりませんでした。

『ルーム』

小説を原作として制作された作品です。

トロント国際映画祭では最高賞のピープルズ・チョイス・アワードを受賞し、アカデミー賞やゴールデングローブ賞では主演女優賞を受賞したA24の中でも屈指のメジャーな作品です。

7年にわたる監禁を経験して初めて外の世界を知った息子と、親としても一人の女性としても力強く生き抜いた主人公の愛を描いた本作品では、多くの人が心を動かされました。

監督、脚本、出演者について、当時有名な人たちではありませんでしたが、作品の実力で大きく評価される、というのはまさにA24の真髄なのかもしれません。

「A24」 アカデミー賞候補作品

2023年第95回のアカデミー賞でも、「A24」の作品は名を連ねています。

もはや当たり前となってきた流れですが、それでも作品賞や主演男優賞にノミネートされているのはとてつもないことです。

アカデミー賞候補作品を紹介するとともに、まだ見ていない方はぜひ映画館に足を運んでみてください。

ネタバレ解説記事も紹介していますので、そちらもチェックしてください!

1. 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

今話題になっている“マルチバース”を舞台に広がる物語です。

A24の世相を読む力を持ってして制作された本作は、マルチバースという舞台のみならず、主人公も中国系アメリカ人の移民として登場しています。

トレンドをしっかり押さえ、新進気鋭な作品は瞬く間に世界に広がっていき、A24の作品で最も高い興行収入を記録しました。

ゴールデングローブ賞では、主演女優賞、助演男優賞を受賞し、今年の映画賞の目玉作品になっています。

アカデミー賞では作品賞をはじめ、多くの部門に名を連ね、話題の中心になることは間違いないでしょう。

2. 『ザ・ホエール』

拒食症の影響で肥満になり、身動きが取れなくなった男性の生前最後の日々を描いた物語。

着用に長時間かかる特殊スーツを着て変容した見た目のインパクトからは想像ができないほど、繊細な人間の心と周囲との共生を描いた本作において、主演を務めるブレンダン・フレイザーの演技は多くの賞賛を受けました。

各映画賞の場で公開されると、軒並みスタンディングオベーションを浴び、今回のアカデミー賞では主演男優賞の受賞に期待がかかっています。

斬新さと繊細さを備え、他に類を見ない作品に仕上げたスタッフをはじめ、A24の真価を問える一作になっているのではないでしょうか?

2023年第95回アカデミー賞授賞式 結果

出典:https://variety.com/

※2023年3月13日追記

2023年3月13日にアカデミー賞授賞式が開催されましたね。

みなさん、結果は見ましたか?

なんと『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞を含む7部門を受賞(最多部門)、『ザ・ホエール』が主演男優賞を含む2部門の受賞となりました!!

これほど期待と注目を集めながらも、それ以上の結果を導き、さらに「A24」のパワーを感じさせてくれましたね。

今後、さらに映画シーンにおいて、先頭を駆け抜けていくことはもはや必然と言えるでしょう。

結果を見ていない方は、下の記事からチェック

まとめ

いかがでしたか?
今後も注目したい会社ですよね!

映画会社の歴史を追うことはなかなかないことだと思います。

しかし、映画作品が今後何年も人々に感動と幸せを届けていくためには、映画業界にも新たな変化が必要だとされる中で、A24のような存在は映画業界を支える大きな存在にもなっていますね。

アカデミー賞は、ある意味選挙活動のような側面を持ち合わせており、どの会社の、どの作品に投票するか、というやや政治的な部分も存在しています。

そんな中、A24をはじめとした新たな存在が中心となり、作品や会社に込めたメッセージで映画業界を盛り上げてくれる未来が作られていくことを願っています。

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