映画好きにとっての毎年の恒例行事、アカデミー賞。
2022年も同様に注目を集め、見事『コーダ あいのうた』が作品賞を受賞しました!

おめでとうございます!



アカデミー賞って、たくさん部門とかあって
なかなか全部は把握できないよね
そんな人のために、この記事では2022年第94回アカデミー賞授賞式の結果を振り返り、まとめています。
受賞作品に加えて、この年の授賞式で起こったニュースなども紹介していますので、ぜひチェックをお願いします!
それでは、いってみましょう!
歴代のアカデミー賞作品は以下の記事をチェック!


2022年第94回アカデミー賞 結果一覧


全23部門の受賞作品は以下のとおりです。
賞 | 作品・人物名 |
---|---|
作品賞 | コーダ あいのうた |
監督賞 | ジェーン・カンピオン パワー・オブ・ザ・ドッグ |
主演男優賞 | ウィル・スミス ドリームプラン |
主演女優賞 | ジェシカ・チャステイン タミー・フェイの瞳 |
助演男優賞 | トロイ・コッツァー コーダ あいのうた |
助演女優賞 | アリアナ・デボーズ ウエスト・サイド・ストーリー |
脚本賞 | ベルファスト |
脚色賞 | コーダ あいのうた |
国際長編映画賞 | ドライブ・マイ・カー |
長編ドキュメンタリー映画賞 | サマー・オブ・ソウル (あるいは、革命がテレビ放映されなかった時) |
短編ドキュメンタリー映画賞 | バスケの女王 |
長編アニメ映画賞 | ミラベルと魔法だらけの家 |
短編アニメ映画賞 | The Windshield Wiper |
短編実写映画 | The Long Goodbye |
撮影賞 | DUNE/デューン 砂の惑星 |
視覚効果賞 | DUNE/デューン 砂の惑星 |
編集賞 | DUNE/デューン 砂の惑星 |
美術賞 | DUNE/デューン 砂の惑星 |
メイク&ヘアスタイリング賞 | タミー・フェイの瞳 |
衣装デザイン賞 | クルエラ |
音響賞 | DUNE/デューン 砂の惑星 |
歌曲賞(主題歌賞) | ノー・タイム・トゥ・ダイ |
作曲賞 | DUNE/デューン 砂の惑星 |
ポイント


それでは、ここからは作品や授賞式で起きた出来事などについて具体的に解説してきます。
作品名だけでなく、「なぜ、このような結果になったのか?」を考えることで、アカデミー賞がより面白く感じられますので、ぜひチェックしてみてください!
『コーダ あいのうた』が作品賞を含み、ノミネートされた全部門を受賞!


- 作品賞
- 助演男優賞
- 脚色賞
『コーダ あいのうた』が作品賞を含み3部門を受賞しました!
ノミネートされていた3部門をすべて受賞し、作品にとって、キャスト・スタッフにとって最高のサプライズになりました。
この結果は予想通りというわけではなく、受賞の瞬間まで本作品の受賞を予想できなかった人も多くいます。
その主な理由としては、前哨戦の結果によるものです。
- ゴールデングローブ賞
- 英国アカデミー(BAFTA)賞
- 全米俳優組合(SAG)賞
- 全米製作者組合(PGA)賞
- クリティクス・チョイス・アワード
この中で本作品が受賞したのは、全米俳優組合(SAG)賞と全米製作者組合(PGA)賞でした。
後述する『パワー・オブ・ザ・ドッグ』がその他の前哨戦を制していたため、大方の予想が傾いていましたが、直前から本作品が急激に勢いをつけ、そのまま走りきりましたね!
さらに、本作品は二つの初めてを達成した作品でもあります。
一つ目は、動画配信サービス作品として、初めて作品賞を受賞したことです。
本作品の配給権は、Apple TV+が所持しており、Netflixでもなし得なかった快挙を達成しています。
二つ目は、サンダンス映画祭で初上映された作品として、初めて作品賞を受賞したことです。
あまり注目度の高くない映画祭からアカデミー賞作品が輩出されると、映画祭としての注目度が上がることが見込まれるので、これも非常に嬉しいことですね!


『DUNE/デューン 砂の惑星』が圧巻の最多6部門受賞!


- 撮影賞
- 視覚効果賞
- 編集賞
- 美術賞
- 音響賞
- 作曲賞
SF超大作の『DUNE/デューン 砂の惑星』が、全作品最多の6部門を受賞しました!
SF超大作ということもあってか、撮影・音楽系を総なめしています。
本作品の監督を務めたのはドゥニ・ヴィルヌーヴであり、過去作品としては『ブレードランナー2049』や『メッセージ』などの大人気SF作品を製作しています。
またこれらの作品も過去のアカデミー賞でしっかりと結果を出しており、SFというジャンルにおいて不動の地位を築きつつあるのではないでしょうか?
全体で2番目の10部門ノミネートされており、作品賞や脚色賞などの主要部門の受賞は逃したものの、最多部門という歴史に残る大きな存在感を示しました。
『ドライブ・マイ・カー』は日本初&14年ぶりの快挙!


『ドライブ・マイ・カー』は、国際長編映画賞を受賞しました!
日本の作品が受賞するのは、2009年の『おくりびと』以来の快挙となります。
さらに、本作品は作品賞にノミネートされており、これは日本の作品として初めてのこととなり、歴史的な快挙です。
どれほど評価されているかが伺えますね!
外国語作品が作品賞にノミネートされているだけでも相当すごいことなのに、さらにそれが日本の作品ともなると、私たち日本人は嬉しくてたまりません。
なかなかアカデミー賞には縁がなく、過去の歴史を振り返ると黒澤明監督の名誉賞や『千と千尋の神隠し』の長編アニメ映画賞など輝かしい歴史があるものの、何年かに一度程度であり、その難しさを思い知らされます。
しかし、本作品が新たな歴史を作ってくれたことで、これからの日本作品がアカデミー賞などの国際舞台で活躍する未来が少し明るくなったように感じます。


『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は無念の1部門のみ


全作品の中で最多の11部門12ノミネートとなった『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は、まさかの監督賞のみの受賞にとどまりました。
- 作品賞
- 監督賞
- 主演男優賞
- 助演男優賞×2
- 助演女優賞
- 脚色賞
- 撮影賞
- 編集賞
- 作曲賞
- 美術賞
- 音響賞
特に作品賞は大本命視されており、前哨戦のゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞を制し、その他にもヴェネツィア国際映画祭なども受賞したことから期待度も非常に高く見られていました。
Netflixオリジナル作品として初の作品賞に手がかかっている状態だっただけに、驚く結果となってしまっています。
Netflixは、動画配信サービスとして2017年頃からアカデミー賞に姿を表し、その勢いで多くの作品が受賞を重ね、注目の的になってました。
しかし、目の前で同じ動画配信サービスのApple TV+作品である『コーダ あいのうた』に作品賞を掻っ攫われて、さぞ非常に悔しい思いをしたでしょう。
2023年のアカデミー賞でもNetflixオリジナル作品の『西部戦線異状なし』が作品賞にノミネートされておりましたが、惜しくも受賞とはなりませんでした。
Netflixのアカデミー賞作品賞に向けた旅路はまだ続きそうです。
『ベルファスト』も惜しかった・・・!


北アイルランドを舞台にした作品『ベルファスト』は脚本賞を受賞しました!
作品賞を含めた7部門にノミネートされており、作品賞への期待も高かったのですが、脚本賞のみの受賞となっています。
- 作品賞
- 監督賞
- 助演男優賞
- 助演女優賞
- 脚本賞
- 歌曲賞
- 音響賞
本作品は、トロント国際映画祭やクリティクス・チョイス・アワードなどの前哨戦を制し、アカデミー賞の作品賞への期待も持たれていましたが、惜しくも受賞にはなりませんでした。
しかし、本作品が与えたメッセージは非常に強く、ケネス・ブラナー監督は壇上で「これは暴力に直面しながらも、喜びや希望を見出す物語です」と述べています。
北アイルランドで実際に起こった内戦の実情を、監督自身の経験から自伝的に描き、世界で巻き起こる争いに対する強い思いも含まれていたのではないでしょうか?
涙も出る場面もありますが、わずかでも希望が感じられるような心温まる作品になっています。


前代未聞のトラブル! ウィル・スミスの悲劇


2022年第94回アカデミー賞では、前代未聞の悲劇が起こってしまいました。
それは、主演男優賞を受賞したウィル・スミスがプレゼンターのクリス・ロックを壇上でビンタしてしまうという事態です。
経緯としては、長編ドキュメンタリー映画部門の受賞作品発表の際、プレゼンターとして登壇したクリス・ロックが壇上でウィル・スミスの妻を冗談で侮辱したことに対してウィル・スミスが激怒した、というものです。
アカデミー賞は騒然とし、放送などは一時中断するなどの大事態に発展してしまいました。
このことは、その後も大きな議論を巻き起こし、日本にも波及しました。
「人の愛する人を公の場で侮辱するのが悪い」という人や「たとえどんなことがあっても手を出すほうが悪い」という人など、国の文化などによって違う価値観で語られたこの問題は、アカデミー賞の悲しい記憶となってしまったのです。
一時は、ウィル・スミスの主演男優賞が剥奪されるかもしれない可能性も示唆されましたが、剥奪されることはありませんでした。
しかし、アカデミー協会員を退会し、向こう10年間はアカデミー賞を主催するAMPASのイベントに出席することができなくなりました。
放送時間短縮のための施策が大批判!


2022年のアカデミー賞では、もう一つ批判が集まってしまう事態が起こりました。
それは、ある受賞部門を授賞式当日ではなく、事前に発表してしまう、というものでした。
アカデミー賞授賞式は、放送時間が4時間を越え、毎年その長さから視聴率の低下につながっているという問題を抱えています。
その状況を打開すべくAMPASが考えついたのが、この「何部門かは事前に発表する」ということでした。
- 短編ドキュメンタリー映画賞
- 編集賞
- メイク&ヘアスタイリング賞
- 作曲賞
- 美術賞
- 短編アニメ映画賞
- 短編実写映画賞
- 音響賞
これには、とてつもない量の批判が集まり、そのこともあってかこの年の視聴率は歴代ワースト2位を記録しています苦い結果となってしまいました。
全23部門、どの部門にも優劣はなく、受賞する作品、キャスト、スタッフにとっては一生に一度あるかないかですので、どの部門にも平等に光をあててほしいと思います。
その反省もあってか、2023年は授賞式内で全部門の発表を行いました。
まとめ
今回の記事では、2022年第94回アカデミー賞授賞式の結果の振り返りをめとめ、ポイントを紹介しました。
毎年のことですが、本当に感動しますね。



改めておめでとうございます!
アカデミー賞は、その年の総決算でもあり、毎年凄まじい盛り上げを見せておりますが、アカデミー賞をきっかけに素晴らしい映画の存在が世界に知れ渡り、映画の興行にもつながっていきます。
次はどんな名作が誕生するのでしょうか?
これからもアカデミー賞などの映画賞についての情報を発信していきますので、ぜひチェックをお願いします。