世界で一番売れている映画は何かご存知ですか?
映画が好きな方ならもちろん、気になる人は多いですよね!
その上で今日考えていきたいのは
売れている映画ってやっぱりすごい映画なの??
ということです。
結論、すごい映画であることに間違いはないのですが、作品の評価は興行収入だけではありません。
それを判断するのが、アメリカの偉大なる祭典「アカデミー賞」です。
アカデミー賞では、興行収入の多さはあまり関係がありません。
というよりは、むしろ相反する立ち位置にあります。
この疑問を考えていくことで、今よりもっと映画が楽しめることは間違いありません!
ということで、今回はアカデミー賞作品賞と興行収入の関係性、そして2023年アカデミー賞の候補作品はどう影響するのか?を解説します!
全世界の歴代興行収入トップ10
全世界の歴代興行収入の上位10作品を紹介します。
年 | 作品 | 興行収入 |
---|---|---|
2009 | アバター◯ | 29.237億ドル |
2019 | アベンジャーズ/エンドゲーム | 27.994億ドル |
2022 | アバター:ウェイ・オブ・ウォーター○ | 22.945億ドル |
1997 | タイタニック◎ | 22.560億ドル |
2015 | スタウォーズ/フォースの覚醒 | 20.713億ドル |
2018 | アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー | 20.524億ドル |
2021 | スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム | 19.218億ドル |
2015 | ジュラシック・ワールド | 16.715億ドル |
2019 | ライオン・キング | 16.631億ドル |
2012 | アベンジャーズ | 15.205億ドル |
興行収入とアカデミー賞作品賞の関係性
上記の表から読み取れることはあるでしょうか?
このパートでは、上記の表をもとに、興行収入とアカデミー賞作品賞の関係性について解説していきます。
興行収入は作品賞受賞には関係ない?
全世界歴代興行収入トップ10において、作品賞を受賞しているのは『タイタニック』のみとなります。
『アバター』、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は作品賞にノミネートされながらも、惜しくも受賞とはなっていません。
このランキングをトップ50まで広げてみても、作品賞を受賞しているのは『タイタニック』に加えて『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』のみです。
つまり売れている映画=アカデミー賞で評価される映画ではない、ということです。
作品賞受賞は興行収入に影響する
売れている映画=アカデミー賞で評価される映画ではない、と述べましたが、逆はあります。
つまり、アカデミー賞で評価された映画=興行収入が上がる、ということです。
これは当然のことですよね。
全世界で最も注目される映画祭で評価されたので、「アカデミー賞で話題の作品」として非常に有効なPRとなっているわけです。
実際にアカデミー賞を受賞するまではあまり興行収入が振るっていなかった作品が、受賞によって一気に興行収入を増やしたという話も少なくないです。
興行収入上位はどんな作品?
ところで、売れる映画ってどんな映画なの?
たしかに気になるよね!
ここからは、興行収入上位の作品がどんな特徴を持っているのか、徹底的に解説していきます!
2010年代以降はMCUが席巻
今最も人気を集めるのは「マーベル・シネマティック・ユニバース」、通称MCU作品ですね。
歴代興行収入の上位10作品のうち、4作品がマーベル作品です。
特に2012年より公開された『アベンジャーズ』シリーズは、2019年に公開された『アベンジャーズ/エンドゲーム』までトップを走り続け、おそらくシリーズものとしては最も人気を集めている作品となっているでしょう。
2018年には『ブラック・パンサー』が大ヒットし、全世界では歴代15位、全米では歴代6位の記録となりました。
特筆すべきは、アカデミー賞においてスーパーヒーロー作品で初めて作品賞にノミネートされたということです。
惜しくも受賞とはなりませんでしたが、「人気ヒーロー作品」×「アカデミー賞」の実現が現実味を帯びました。
ちなみに2023年のアカデミー賞では、続編の『ブラック・パンサー/ワカンダ・フォーエバー』が注目されており、前哨戦のゴールデン・グローブ賞では助演女優賞を受賞しました。
大ヒットシリーズは根強いファンがいる
MCU作品も含み、シリーズとしてヒットした作品はその続編も続けてヒットしています。
むしろ、続編の方がヒットしている作品も多いです。
もはや知らない人のいない『スターウォーズ』シリーズや『ハリー・ポッター』シリーズは興行収入ランキングでも上位を占めており、根強いファンとともに大ヒットシリーズの続編として新たなファンを生み出しています。
『スタウォーズ/フォースの覚醒』は、歴代4位の記録を持っております。
これは、6部作として完結されていたかのように思われていた『スターウォーズ』が約10年ぶりに新シリーズを公開し、空前の大ヒットとなりました。
シリーズとして続くことで熱良いファンから新たなファンへ広がりを見せるため、興行収入においては非常に強力なものとなっていますね。
ディズニーやユニバーサル・ピクチャーズの「ブランド力」
シリーズも含まれますが、やはりディズニー作品は、「ディズニー」という冠に対しての期待度や注目度が高いものとなっています。
「あのディズニーの最新作」という謳い文句だけで、客足は伸び、公開から間も無くしてヒットを予感させる作品ばかりです。
昨今では『アナと雪の女王』や『美女と野獣』、『ライオン・キング』などが代表的な作品として挙げられます。
そして、ユニバーサル・ピクチャーズは、日本人としては馴染みのある「USJ」のアトラクションにもなっている『ジュラシックパーク』や、その続編となる『ジュラシック・ワールド』が、興行収入においては上位を占めております。
最近では『ミニオン』シリーズなども大ヒットを記録していますね。
作品自体が注目されるのが本来の流れではありますが、このように「どこの会社が制作したのか」という観点でも興行収入に大きく影響しているのは確かです。
アカデミー賞作品賞を受賞するのはどんな作品?
次はアカデミー賞作品の特徴を教えて!
OK!まかせて!
ここからは、アカデミー賞作品賞を受賞する作品の特徴について解説していきます。
社会的なメッセージ性のある作品
歴代の受賞作品の全てが当てはまるわけではありませんが、特に最近はメッセージ性の強い作品が受賞する傾向が強まっています。
メッセージとは何か?という話になってきますが、社会的にも問題になっていることや歴史上語るべきことなどです。
例えば日本映画で言うと、戦争映画は「反戦」のメッセージがあります。
本場のアカデミー賞においても戦争映画が受賞したケースもありますが、単に反戦を訴えるだけでなく、「ユダヤ人迫害」などの歴史上忘れてはならない「差別」について描いた作品が受賞してきています。
しかし、昨今アカデミー会員の人種構成が変わってきているので、投票の傾向が変わってくる可能性は大いにあります。
実話をモデルにした作品
最近は減ってきましたが、過去のアカデミー賞を振り返ると実話をモデルにした作品が受賞したケースも多いです。
特に前述の通り、歴史上語るべきことをテーマにした作品は実話ベースであることが多いです。
例えば、近年で言うと2019年に作品賞を受賞した『グリーンブック』は、白人運転手と黒人ピアニストの友情ロードムービーですが、これは主役の2人とも実在の人物です。
そのほかには、2014年に作品賞を受賞した『それでも夜は明ける』が有名です。
実際に12年間奴隷として扱われていた男性の回顧録をもとに制作された作品です。
もちろんオリジナル映画も多数受賞していますが、「実話ベース+メッセージ性」の作品はやや強いように感じます。
全てにおいてのクオリティが高い「超大作」
アカデミー賞作品賞を受賞している作品の多くは、作品賞のみならず監督賞や脚本賞をはじめとした、他の部門も受賞している作品が多い傾向になります。
他の部門の中には、撮影系の部門や音楽系の部門もあります。
そのため、多くの部門を受賞している作品ということは、撮影のクオリティが高く、音楽も壮大で印象に残る、衣装などの見た目も華やか、と受賞部門が増えれば増えるほど作品としてのスケールが上がります。
この「超大作」になると、「売れている映画=アカデミー賞で評価される映画ではない」というセオリーを時に無力化してしまいます。
それが『タイタニック』と『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』です。
アカデミー賞作品賞を受賞した作品の全てがこの限りではありませんが、何年かに一度、このような超大作が映画界の目玉となり、アカデミー賞にも興行収入も多大なる影響を与えてきました。
2023年のアカデミー賞はどうなる?
注目すべき2023年第95回のアカデミー賞では、興行収入の多い作品は候補になっているのでしょうか?
また、作品賞受賞の可能性はあるのでしょうか?
このパートで解説します!
興行収入の観点から注目したい2作品
ここでは2023年のアカデミー賞で候補となっている作品でもあり、興行収入の面でも大きな業績を残している2作品をピックアップして紹介します。
詳しくはそれぞれの作品を解説した記事がありますので、そちらをご覧ください!
①『トップガン マーヴェリック』
2022年に公開ながらも、すでに全世界の歴代興行収入で12位を記録。
迫力満点の本作を映画館で味わえるように、4DXなどでの上映がなされました。
約40年ぶりの続編が、トム・クルーズに初の栄冠をもたらすか
②『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』
2022年の興行収入で1位、歴代3位を記録。
前作を追随するように興行収入を伸ばし、現在全世界の歴代7位となっている作品です。
2022年最も売れた続編が、歴代興行収入1位でもなし得なかった偉業を掴み取るか
やはり作品賞は難しいか
興行収入の観点から映画界で大いに盛り上がりを見せているこの2作品ですが、作品賞の受賞は難しいと言えるでしょう。
アカデミー賞前哨戦のゴールデングローブ賞では、この2作品とも作品賞の受賞とはならず、その他の大本命と予想されいた作品が受賞しました。
しかしながら、作品賞を受賞した作品の特徴を3つ挙げましたが、そのうち3つ目の全てにおいてのクオリティが高い「超大作」」という点においては、まだ可能性があるかもしれません。
この2作品が、過去に偉業を成し遂げた『タイタニック』や『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』のようになれるのか、注目していきたいと思います。
2023年3月13日に第95回アカデミー賞授賞式が開催されました!気になる結果はこちらから↓
まとめ
今回の記事では、歴代のアカデミー賞と興行収入の関係について解説しました。
実際、映画を見るにあたって「アカデミー賞受賞作品!」や「興行収入◯億円突破!」という事前情報のようなものはなくても、作品の良さは十分に味わえます。
しかし、このように映画がどのように評価され、どのように人気になっているのかを理解していくことで、作品をより深く知り、好きになることができます。
純粋に楽しみながらも、ぜひ映画界にある奥深さを味わってみてください。
興行収入の多い映画がすごい映画なのか
アカデミー賞を受賞した映画がすごい映画なのか
この答えはあなただけが知っているはずです。