MCU映画『ブラックパンサー』は観ましたか?
アベンジャーズなどで大人気のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の18作品目であり、これまでの作品とは少し違った観点で大きな評価を集めています。
アカデミー賞を受賞したよね!
そう!ヒーロー映画で初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされたんだ!
「アカデミー賞作品賞ノミネート」という偉業をなぜ成し遂げたのか・・・気になりませんか?
この記事では、映画『ブラックパンサー』の概要・あらすじを紹介するとともに、以下のポイントでネタバレ解説を行なっています。
- 舞台はワカンダ王国
- ティ・チャラが国王に
- 迫り来る敵の影
- エリックの復讐
- ブラックパンサーの復活
- 世界のためのワカンダ
※ネタバレを含みますので、あらかじめご注意ください。
そして、2019年第91回アカデミー賞の結果とともに、なぜ本作品が作品賞にノミネートされていたのか?を解説しています。
ぜひ、チェックしてみてください!それでは、いってみましょう!
概要
2018年に公開されたMCU18作品目の作品です。
アベンジャーズなどでも登場していた「ブラックパンサー」がついに単体の作品として制作され、MCU作品として多くのファンを魅了しました。
全米の歴代興行収入では6位に輝いており、MCU作品内では3番目に多い結果となっています。
これまでのMCU作品とは一風異なり、民族文化や多様性に焦点を当てており、その内容に大きな注目や評価が集まり、ヒーロー映画として初めてアカデミー賞を受賞した作品でもあります。
主演を務めたチャドウィック・ボーズマンは、本作品の出演時に大腸がんを患っており、本作品の公開後である2020年に亡くなられました。
監督 | ライアン・クーグラー |
出演 | チャドウィック・ボーズマン マイケル・B・ジョーダン ルピタ・ニョンゴ レティーシャ・ライト |
時間 | 134分 |
ジャンル | アクション/アドベンチャー・冒険/SF |
制作 | アメリカ |
予告動画
あらすじ
遥か昔、ヴィヴラニウムという隕石がアフリカに落ちてきたことで、5つの部族が戦争を起こした
ある人物がヴィヴラニウムから生成されたハーブを口にすることで、超人的な能力を宿す「ブラックパンサー」となって戦争を収めた結果、それらの部族が集まりワカンダ王国が生まれた
ブラックパンサーの血を引くティ・チャラは父の亡き後、新たにワカンダ王国の国王、そしてブラックパンサーとなる
ある日、ヴィヴラニウムが狙われ、ワカンダ王国に「国王の血を引く者」と主張するエリックが訪れ、ティ・チャラに国王の座をかけて決闘を申し込む
登場人物
本作品の登場人物を紹介します。
多くのキャラクターが登場しているため、すべてを押さえておくのは難しいですが、物語を知る上で押さえておくべきキャラクターを紹介します。
アフリカの民族がルーツであることから、ほとんどの登場人物が黒人であり、とても魅力的なキャラクターばかりです!
ブラックパンサー/ティ・チャラ
国王である父の死によって、ワカンダ国の国王、そしてブラックパンサーとなる
王位継承の儀式では、ジャバリ族のエムバクに決闘を申し込まれ、一時は劣勢に陥るも見事に勝利して国王となった
科学者である妹のシュリにブラックパンサーのスーツや武器などを作ってもらっており、それをもとにブラックパンサーとして戦っていく
エリック・キルモンガー/ウンジャダカ
本作品のヴィラン
元アメリカの秘密工作員で、悲しき過去をもつ
その悲しき過去から生まれる復讐心を抱き、ワカンダ王国に襲来し、ティ・チャラに王位継承の決闘を申し出る
シュリ
ティ・チャラの妹にして、天才的な科学者
ブラックパンサーのスーツや、その他の武器や乗り物のシステムなどを開発しており、ワカンダ王国に欠かせない存在となっている
明るく天真爛漫な性格で常にブラックパンサーを支えている
オコエ
ワカンダ王国の国王親衛隊「ドーラ・ミラージュ」の隊長
歴代の国王に仕えているが、ティ・チャラとは幼馴染の関係であるため、フランクに接している一面もある
ドーラ・ミラージュの隊長であるために、規律や伝統を強く重んじる傾向があるが、ここぞという場面では非常に頼りになる存在となっている
エヴェレット・K・ロス
CIA捜査官
ヴィヴラニウムを盗んだ犯人であるクロウの行方を追っている時にティ・チャラと遭遇し、協力する
重傷を負うが、シュリが手当し回復したことで、ワカンダのために尽力するようになる
ネタバレ解説
ここからは、映画『ブラックパンサー』のネタバレ解説を行います。
主に6つのポイントで解説しており、基本的にはストーリーの流れの順番になっていますが、ポイントによっては順不同となることがありますので、一つずつチェックしてみてください!
- 舞台はワカンダ王国
- ティ・チャラが国王に
- 迫り来る敵の影
- エリックの復讐
- ブラックパンサーの復活
- 世界のためのワカンダ
※ネタバレを含みますので、あらかじめご注意ください。
舞台はワカンダ王国
物語の舞台となるのは、アフリカに位置するワカンダ王国という国です。
はるか大昔、このワカンダの地にヴィブラニウムという鉱石でできた隕石が落下しました。
その地で5つの部族の間で戦争が勃発した際、ある人物がヴィブラニウムから生成されたハーブを口にすることで、超人的な能力を宿す「ブラックパンサー」となります。
そして、その争いをおさめたブラックパンサーに4つの部族が集まり、ワカンダ王国が建国されたんですね。
ジャバリ族という部族だけ山奥に姿を消しました
ヴィブラニウムの力もあり、ワカンダ王国は高度な技術を持った画期的な国となっていました。
しかし、そのヴィブラニウムの存在が世界に知られないようにするため、世界に自国の存在を一切明かしていません。
国の存在を隠し、ヴィブラニウムを守るためにも世界中にスパイを派遣し、抜かりない活動を行なっていたある日、ティ・チャカ国王の弟ウンジョブが武器商人のクロウにヴィブラニウムでできた武器を密輸していたことが発覚します。
ティ・チャカ国王は自らの手で弟のウンジョブを殺めたのでした。
ティ・チャラが国王に
2018年のワカンダ王国では、大きな動きが起きていました。
なんと、ティ・チャカ国王が『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(アベンジャーズの内乱)において死んでしまいます。
他のMCU作品とも繋がっているんだね!
ティ・チャカ国王の死後、王位を継承すべく息子のティ・チャラがワカンダ王国に帰ってきました。
ワカンダ王国では、国王即位の儀式において満場一致で承認された場合は、そのまま国王となるのですが、異を唱えた者がいた場合は決闘によって決まります。
ティ・チャラがそのまま即位するかに思われていましたが、山奥に潜んでいたジャバリ族のエムバクが決闘を挑んできました。
一時は劣勢に立たされるものの、見事に勝利しティ・チャラが正式に国王となったのです。
迫り来る敵の影
ティ・チャラが国王となった裏では、敵の影が迫っていました。
かつてウンジョブからヴィブラニウムの武器を受け取っていたクロウが仲間のキルモンガーらと共謀し、ヴィブラニウムが展示されている博物館を襲撃します。
ヴィブラニウムを盗み逃げ出したクロウたちの存在をティ・チャラたちはいち早く察知し、捜索を行うために韓国に向かいました。
韓国でCIA捜査官のロスと一時的に協力してクロウを捕らえましたが、キルモンガーらの助けによりクロウを奪還されてしまいます。
その際に怪我を負ってしまったロスはワカンダで手当を受け、一命を取り留めます。
無事逃げ切れたクロウでしたが、キルモンガーは最初からクロウを利用するつもりであり、クロウをあっさり殺しました。
クロウが敵かと思っていたからびっくり!
エリックの復讐
クロウを殺した後、キルモンガーはクロウの死体を持ってワカンダに現れます。
そしてキルモンガーは、自身がティ・チャカに殺されたウンジョブの息子だということを明かしました。
自身も王家の血を引いていることから、ティ・チャラに王位継承の決闘を挑みます。
ヴィブラニウムがあれば、世界中の迫害されているアフリカ系の民族を救い出すことができる、というのが彼なりの主張です
さらに、彼の父親であるウンジョブがティ・チャラの父によって殺されてしまったため、ティ・チャラに対しても強い復讐心を抱いていました。
キルモンガーはティ・チャラを谷に突き落とし、ワカンダ王国の国王となってしまったのです。
そして、ブラックパンサーの力を得るためのハーブをすべて焼き尽くし、ワカンダ帝国を築くためにヴィブラニウムでできた武器を世界にいるワカンダのスパイに届けるように命じました。
ワカンダが崩壊しちゃう・・・
ブラックパンサーの復活
ハーブがすべて燃やされる前に、かろうじて一つだけ取っていたナキアやシュリ、ラモンダらは、ジャバリ族に援助を求めますが、そこにはティ・チャラが仮死状態で眠っていました。
エムバクがなんとか助けてくれたんですね!
仮死状態のティ・チャラにハーブを飲ませることでティ・チャラは復活し、キルモンガーから王座を奪還するために再びブラックパンサーとなります。
ワカンダはキルモンガーが国王となり、混乱をきたしていました。
そして、輸送機を追撃したティ・チャラがブラックパンサーの姿でキルモンガーの前に再び現れ、「まだ負けていない」と告げます。
ついに、キルモンガーを支持する者たちとティ・チャラを支持する者たちとの間で争いが勃発します。
その裏ではヴィブラニウムの武器が着々とワカンダの外に出されようとしていた最中でしたが、ワカンダに残っていたロスは元アメリカ海軍のパイロットであったため、輸送機の追撃に協力しました。
ジャバリ族などの助けもあり、オコエたち“ドーラ・ミラージュ”はなんとか善戦します。
ティ・チャラとキルモンガーは一騎打ちとなり、ティ・チャラは見事勝利しました!
世界のためのワカンダ
キルモンガーは自ら死を選び、夕日を眺めながら死んでしまいます。
平和が訪れたワカンダでしたが、キルモンガーが住んでいたオークランドのアパートをティ・チャラは買い取り、支援センターを創設することを話します。
アフリカ系民族が迫害されている、というキルモンガーの言葉や彼らの過去からティ・チャラは使命を感じたのでしょうね
そして、これまで頑なに国の存在を隠していたワカンダは、ついに国連の場でティ・チャラが国の存在を公表し、平和を維持するために世界への支援を行う姿勢を見せるのでした。
各レビューサイトでの評価
本作品の世間の反応や評価について紹介します。
それぞれ点数と主なレビューを3件ずつ紹介していますので、気になる方はぜひリンク先をチェックしてみてください!
Filmarksの使い方については以下の記事を参考になります。
Filmarks
・他のMCU作品とは違ってアフリカ文化や黒人文化へのリスペクトが強く感じられた作品
・ヒーローとヴィランの対比と最後のエリックの姿には涙が止まらなかった
・メッセージ性が強い作品
Filmarks:『ブラックパンサー』映画情報・感想・評価ページ(https://filmarks.com/movies/60411)
IMDb
・社会的意味合いを見せたMCUの勝利
・MARVEL史上最高のオリジナル作品だと感じた
・マイケル・B ・ジョーダンの敵役がハマりすぎていた
IMDb 『Black Panther』(https://www.imdb.com/title/tt1825683/)
Rotten Tomatoes
・単なる文化的な意味合いを持たせるだけでなく、ヒーロー映画に活気を与えた
・過去のヒーロー映画で触れられていない多様性を表した傑作
・登場人物のカリスマ性に惚れ惚れする
Rotten Tomates 『Black Panther』 (https://www.rottentomatoes.com/m/black_panther_2018)
MCU唯一のアカデミー賞受賞!
本作品は、これまでのMCU作品とは大きく異なる点があります。
それはアカデミー賞などの映画賞で非常に大きく評価されている、という点です。
MCUやDCなどのヒーロー映画は、その性質などから映画賞の場ではあまり注目はされていませんでした。
しかし、本作品はヒーロー映画として初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされました!!
過去には、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』が作品賞ノミネート確実とも言われていた中で選出外となり、もはやヒーロー映画では無理なのか?と思われていた中でのことなので、非常に嬉しいことです。
映画の興行収入において、MCU作品が上位を占めており、世界的に人気であることは自明なことですが、「売れる映画=賞を受賞映画」というわけではないということも非常に興味深いですね。
2019年第91回アカデミー賞
本作品は、2019年アカデミー賞で美術賞・作曲賞・衣装デザイン賞の3部門を受賞しました!
ノミネートに関しては、作品賞を含み7部門にノミネートされており、いかに評価されていたかだ伺えますね。
- 作品賞
- 作曲賞
- 歌曲賞
- 音響編集賞
- 録音賞
- 美術賞
- 衣装デザイン賞
全体的には美術や音響系に集まっていますが、個人的にはチャドウィック・ボーズマンが主演男優賞にノミネートされてもよかったのではないか?と思いました。
なぜ作品賞にノミネートされたのか?
本作品は、なぜ史上初めてヒーロー映画としてアカデミー賞作品賞にノミネートされたのでしょうか?
その要素はたくさんあるため、一概に言えないのですが、いくつか考えられる要素があります。
まずは、他の作品賞のノミネート作品を見ておきましょう。
- グローンブック
- ブラックパンサー
- ブラック・グランズマン
- ボヘミアン・ラプソディ
- 女王陛下のお気に入り
- ROMA /ローマ
- アリー/スター誕生
- バイス
もともとアカデミー賞では、社会的に強いメッセージ性を含まれた作品が受賞しやすい傾向があります。
例えば、2019年に受賞した映画『グリーンブック』でいうと、「黒人差別」という忌まわしき歴史に対するメッセージが含まれています。
このような側面が非常に強い中で、本作品もその社会的に強いメッセージ性が含まれていました。
観た人ならわかると思いますが、本作品は主人公から敵役まで、ほとんどの登場人物が黒人で構成されていましたね。
一国の歴史や文化を重んじており、あくまで世界観を忠実に再現するためには当然のことだと思うのですが、少なくとも「黒人のヒーロー」というのは強烈な印象を与えました。
2015年〜16年あたりにアカデミー賞で起こった「オスカー・ソー・ホワイト問題」が起こり、黒人に対するリスペクトが見られる風潮もあっため、余計に評価を集めたのでしょう。
そして、もう一つ特筆すべきは「女性の活躍」です。
オコエやシュリやナキアなど、メインとなるキャラクターの多くは女性であり、ティ・チャラとも引けを取らない活躍をしていました。
2017年頃に起こった「#Me Too」という運動のこともあり、女性の活躍も重要な評価要素であったため、本作品のように女性キャラクターがしっかり活躍しているところも大きく評価されていたことに間違いありません。
このように、MCU作品として十二分に面白いだけでなく、時代の流れに合わせた要素が多数含まれている本作品が作品賞にノミネートされたのは、もはや不思議なことではないのかもしれませんね。
ブラックパンサーの死:気になる続編
本作品の公開後の2020年、ブラックパンサーを務めたチャドウィック・ボーズマンが亡くなられました。
ご冥福をお祈りします
2016年頃から大腸がんを患っており、満身創痍の中で撮影されていたそうで、それだけでもすごいことなのですが、、、
そうした中で、2023年11月に続編となる『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』が公開されました。
ブラックパンサーが亡くなってしまった中で、続編はどのような内容になっているのか?とても気になりますね。
続編についてもネタバレ解説を行なっていますので、ぜひそちらもチェックしてみてください!
まとめ
この記事では、映画『ブラックパンサー』の概要・あらすじを紹介するとともに、6つのポイントでネタバレ解説を行いました。
- ワカンダ王国は4つの部族がルーツとなり、ヴィブラニウムの力により画期的な国となっている
- ティ・チャラはエムバクとの決闘に勝利し、亡き父の後を継ぎ国王となった
- ヴィブラニウムを狙う真の敵は苦労ではなく、キルモンガーであった
- キルモンガーは自身の父親が殺された復讐心からワカンダの国王となった
- 一度は敗れたティ・チャラは復活し、キルモンガーへのリベンジを果たした
- ワカンダは自国の存在を世界中に明かし、世界平和に加担する姿勢を見せた
これまでの、そしてこれからのMCU作品も非常に楽しみですね!